葬儀の豆知識 | 宗派
仏教の宗派と葬儀の作法|なぜ宗派によって違いがあるの?

「なぜ宗派によってお焼香の回数が違うの?」「そもそも、なぜこんなに宗派があるの?」そんな疑問にお答えします。この記事では、仏教の宗派の成り立ちから、葬儀作法の違いが生まれた背景まで、分かりやすく解説します。
仏教の宗派による葬儀の違いについて、なぜ作法が異なるのか疑問に思ったことはありませんか。ご葬儀に参列した際、お焼香の回数や数珠の持ち方が他の人と違って戸惑った経験がある方もいらっしゃるかもしれません。日本には数多くの仏教宗派が存在し、それぞれに独自の教えや儀礼があります。それは故人様を偲び、安らかな旅立ちを願う気持ちの表れ方が、宗派ごとに少しずつ異なるためです。この記事では、日本の仏教宗派の成り立ちから、それぞれの考え方の違い、そして葬儀作法が異なる理由までを、分かりやすく解説します。また、ご自身の家の宗派が分からない場合の調べ方や、宗派不明のままご葬儀を迎える際の考え方についても触れていきます。ご葬儀に関する知識を深める一助となれば幸いです。
日本の主な宗派と、その成り立ちをざっと押さえる
日本の仏教は、一般的に「十三宗五十六派」とも言われるほど、多くの宗派に分かれています。なぜこれほど多様な宗派が生まれたのでしょうか。その歴史をたどると、時代ごとの人々の願いや社会の変化が見えてきます。
仏教伝来と宗派の誕生
仏教は、紀元前5世紀頃にインドで釈迦が開いた教えです。その後、中国や朝鮮半島を経て、6世紀頃に日本へ伝わりました。当初は、国家の安泰を祈るための学問的な要素が強いものでした。
平安時代になると、最澄が開いた天台宗や、空海が開いた真言宗が誕生します。これらは、厳しい修行を通じて悟りを目指す教えで、主に貴族階級に広まりました。
そして鎌倉時代に入ると、法然(浄土宗)、親鸞(浄土真宗)、栄西(臨済宗)、道元(曹洞宗)、日蓮(日蓮宗)といった、現代につながる多くの宗派の開祖となる僧侶たちが次々と現れます。戦乱や飢饉で苦しむ人々を救うため、より分かりやすく、実践しやすい教えを説いたことで、仏教は武士や庶民の間にも広く浸透していきました。このように、それぞれの時代の社会情勢や人々の求めに応じて、様々な教えが生まれ、宗派として確立されていったのです。
日本の仏教宗派の系統
日本の仏教宗派は、その教えの系統から、いくつかのグループに大別できます。以下に主な宗派の成り立ちを時代とともにまとめました。
| 時代 | 主な宗派 | 開祖 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 奈良時代 | 法相宗、華厳宗、律宗など | 道昭、良弁、鑑真など | 学問仏教として、国家鎮護を祈る役割を担いました。 |
| 平安時代 | 天台宗、真言宗 | 最澄、空海 | 密教の要素を取り入れ、加持祈祷などを行いました。 |
| 鎌倉時代 | 浄土宗、浄土真宗、臨済宗、曹洞宗、日蓮宗など | 法然、親鸞、栄西、道元、日蓮 | 庶民にも分かりやすい教えが広まり、多様な宗派が生まれました。 |
私たちアオバヤは、山形市や郡山市などで地元に密着して39年、累計1万件以上のお葬式をお手伝いする中で、こうした様々な宗派のご葬儀に対応してまいりました。地域ごとの慣習もございますので、安心してご相談ください。
浄土系・禅系・日蓮系──考え方の違いを大づかみに
数ある宗派も、その教えの根幹にある考え方によって、いくつかの系統に分類することができます。ここでは代表的な「浄土系」「禅系」「日蓮系」の3つの系統について、その特徴を大まかにご紹介します。死生観や救済観の違いが、葬儀のあり方にも影響を与えています。
阿弥陀如来に救いを求める「浄土系」
浄土系の宗派は、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることで、阿弥陀如来の力によって極楽浄土に往生できるという教えを基本としています。自らの力(自力)で悟りを開くのが難しいとされる末法の世において、阿弥陀如来の力(他力)に頼ることで誰もが救われる、という考え方が特徴です。鎌倉時代に法然や親鸞によって広められ、多くの人々の心の支えとなりました。
- 代表的な宗派:浄土宗、浄土真宗、時宗、融通念仏宗など
坐禅によって悟りを目指す「禅系」
禅系の宗派は、お経や念仏に頼るのではなく、坐禅という修行を通して、自分自身の内なる仏性を見つめ、悟りを開くことを目指します。釈迦が坐禅によって悟りを開いたことに倣い、自らの実践を重んじる「自力」の教えです。言葉や文字に頼らず、師から弟子へと直接教えが伝えられる「以心伝心」を大切にすることも特徴の一つです。
- 代表的な宗派:臨済宗、曹洞宗、黄檗宗
法華経の教えを重んじる「日蓮系」
日蓮系の宗派は、鎌倉時代に日蓮聖人が開いた教えで、「法華経(ほけきょう)」こそが釈迦の最も大切な教えであると位置づけています。そして、「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」のお題目を唱えることで、誰でも仏になることができると説きます。法華経への絶対的な帰依を重んじる点が特徴です。
- 代表的な宗派:日蓮宗、法華宗、日蓮正宗など
このように、宗派の系統によって「何を拠り所にするか」が異なります。この根本的な考え方の違いが、ご本尊様や葬儀の儀式にも反映されているのです。
焼香の回数や数珠が宗派で異なるのはなぜか
仏教の宗派による葬儀の違いとして、最も分かりやすいのがお焼香の回数ではないでしょうか。なぜ宗派によって作法が異なるのか、その理由を知ることで、儀式への理解がより深まります。作法の違いは、優劣ではなく、それぞれの宗派が大切にしている教えの表現方法の違いなのです。
葬儀作法の違いは「教えの解釈」の違いから
葬儀における焼香や読経、数珠の持ち方といった作法の違いは、各宗派の教義の解釈や、ご本尊様への敬意の表し方の違いに由来します。例えば、お焼香の回数一つとっても、その回数に込める意味が宗派ごとに異なります。
- 1回:「一心に仏に帰依する」という考えから。主に浄土真宗で用いられます。
- 2回:1回目の主香で心を清め、2回目の従香で仏様に香りを捧げるという考え方。臨済宗などで見られます。
- 3回:仏・法・僧の三宝に帰依するという意味が込められています。天台宗、真言宗、曹洞宗などで一般的です。
このように、同じ「香を捧げる」という行為でも、その背景にある思想が異なるため、作法に違いが生まれるのです。どの作法が正しいというわけではなく、故人様とご遺族が信仰する宗派の作法に則って、心を込めて行うことが最も大切です。お焼香の詳しい作法については、こちらの記事もご参照ください。お焼香の作法とマナー|回数・順番・宗派による違いをやさしく解説
数珠の形や持ち方にも意味がある
数珠(念珠)も、宗派によって正式な形(本式数珠)が異なります。珠の数や房の形、持ち方にも、それぞれの宗派の教えに基づいた意味が込められています。例えば、日蓮宗では両手の中指にかけて合掌し、房を下に垂らします。浄土真宗では、房を下に垂らすようにして両手にかけ、そのまま合掌します。宗派を問わず使える略式の数珠もありますが、ご自身の家の宗派が分かっている場合は、本式数珠を持つのも良いでしょう。宗派ごとの数珠の違いについては、数珠(念珠)の選び方と使い方で詳しく解説しています。
自分の家の宗派が分からないときの調べ方

「そういえば、うちの宗派は何だろう?」と、改めて考えると分からないという方は少なくありません。特に都市部では菩提寺(先祖代々のお墓があるお寺)とのお付き合いが希薄になっているケースも増えています。いざという時に慌てないためにも、ご自身の家の宗派を確認しておくことは大切です。ここでは、宗派を調べるための具体的な方法をいくつかご紹介します。
まずは親族に尋ねてみる
最も確実で簡単な方法は、ご両親やご兄弟、年長の親戚に尋ねることです。特に本家や、お墓を管理している方に聞けば、すぐに分かることが多いでしょう。法事などで親族が集まる際に、さりげなく話題にしてみるのも良いかもしれません。
お仏壇や位牌、お墓を確認する
親族に尋ねるのが難しい場合は、ご自宅やご実家にあるものから手がかりを探すことができます。
- お仏壇:中に祀られているご本尊様(仏像や掛け軸)の姿で宗派を推測できます。例えば、阿弥陀如来像であれば浄土系の宗派、大日如来像であれば真言宗の可能性が高いです。
- 位牌:位牌の上部に記されている戒名(法名・法号)の形式にも宗派の特徴が現れることがあります。例えば、浄土真宗では「釋(しゃく)」、日蓮宗では「院号」の下に「日」の字が付くことが多いです。戒名については「戒名とは?意味・構成・位号(ランク)とお布施の考え方を解説」でも詳しく触れています。
- お墓:墓石に「南無阿弥陀仏」と刻まれていれば浄土系、「南無妙法蓮華経」なら日蓮宗系と分かります。また、お墓のあるお寺(菩提寺)の名前が分かれば、そのお寺に問い合わせることで確実に宗派を確認できます。
私たちアオバヤでは、ご自身の宗派が分からないというご相談も多く寄せられます。宇都宮市や壬生町など、地域に根差した葬儀社として、お仏壇やお墓の状況から宗派をお調べするお手伝いも可能ですので、お気軽にご相談ください。
宗派が分からないまま葬儀を迎えたときの考え方
万が一、ご家族が亡くなられた際に家の宗派が分からない場合、どうすればよいのでしょうか。そのような状況でも、故人様を心安らかにお見送りする方法はありますので、ご安心ください。大切なのは、ご遺族がどのような形で故人様とお別れをしたいかというお気持ちです。ここでは、宗派が分からないまま葬儀を迎える際の考え方と、具体的な選択肢について解説します。仏教の宗派による葬儀の違いを理解した上で、最適な方法を選びましょう。
故人様を偲ぶ気持ちが最も大切
菩提寺がなく、家の宗派も分からないという場合でも、慌てる必要はありません。まず、故人様が生前、特定の信仰を持っていたか、あるいはご自身の葬儀について何か希望を話していなかったかを思い出してみてください。もし特に希望がなければ、ご遺族の皆様で話し合い、故人様にふさわしいお見送りの形を決めることが何よりも大切です。宗教的な儀式以上に、故人様を偲び、感謝を伝える気持ちがご供養の本質です。
葬儀社に相談し、形式を決める
宗派が不明な場合、信頼できる葬儀社に相談することをおすすめします。プロの視点から、いくつかの選択肢を提案してくれます。
- 無宗教形式で執り行う
特定の宗教・宗派の儀礼に則らず、自由な形式で故人様をお送りする方法です。読経の代わりに故人様が好きだった音楽を流したり、思い出の映像を上映したり、参列者がお別れの言葉を述べたりと、形式は様々です。心のこもった温かいお別れが可能です。 - 特定の宗派の僧侶に依頼する
もしご遺族の中に信仰している宗派がある場合や、故人様とご縁のあったお寺があれば、その宗派の僧侶に依頼することができます。特に希望がない場合は、その地域で一般的な宗派の僧侶を葬儀社に紹介してもらうこともできます。
アオバヤでは、山形・郡山・宇都宮・壬生に自社ホールを9館構え、ご家族のご意向に沿った最適なご葬儀をご提案いたします。例えば、通夜を省略し告別式と火葬を1日で行う「一日葬プラン」(35万円〜)や、ごく近しい方のみでお見送りする「家族葬プラン」(45万円〜)など、ご希望に合わせて柔軟に対応いたします。会員制度「こころの会」にご入会いただくと、これらのプランから8万円の割引が適用され、より安心してご葬儀に臨んでいただけます。
この記事では、仏教の宗派による葬儀の違いとその背景について解説しました。それぞれの宗派が長い歴史の中で育んできた、故人様を敬い、安らかな旅立ちを願うための考え方の違いが、作法の違いとして現れています。知識として知ることも大切ですが、ご葬儀において最も重要なのは、故人様を思うご遺族や参列者の皆様のお気持ちです。ご自身の家の宗派や、ご家族の死生観について、この機会に話し合ってみるのも、大切な終活の一つかもしれません。アオバヤでは、24時間365日、葬儀に関するあらゆるご相談を無料で承っております。どんな些細なことでも、どうぞお気軽にお問い合わせください。
よくあるご質問
❓ なぜ仏教にはこんなにたくさんの宗派があるのですか?
仏教がインドから中国、日本へと伝わる長い歴史の中で、その時代の社会情勢や人々の願いに応じて、様々な解釈や教えが生まれたためです。特に鎌倉時代には、法然、親鸞、道元、日蓮といった宗祖たちが、戦乱で苦しむ庶民にも分かりやすい教えを説いたことで、多くの宗派が誕生し、民衆に広く浸透していきました。
❓ 葬儀に参列する時、他の宗派の作法で行っても失礼になりませんか?
ご自身の宗派の作法でお焼香などを行っても、失礼にはあたりません。一番大切なのは故人を偲び、敬意を払う心です。もし作法に不安がある場合は、前の人のやり方を参考にするか、ご自身の宗派の作法で心を込めて行えば問題ありません。喪主やご遺族に合わせるのが最も丁寧とされていますが、厳密に問われることは少ないです。
❓ 無宗教でもお葬式はできますか?
はい、可能です。特定の宗教儀礼を行わず、故人様らしい形でお別れをする「無宗教葬」や「自由葬」を選ばれる方は増えています。読経の代わりに音楽を流したり、思い出の品を飾ったり、ご参列者からお別れの言葉をいただいたりと、形式は自由です。故人様とご遺族のお気持ちを大切にした、温かいお見送りができます。
❓ 菩提寺がない場合、お葬式はどうすればいいですか?
菩提寺がない場合でも、ご葬儀は問題なく行えます。葬儀社にご相談いただければ、ご希望の宗派の僧侶をご紹介することが可能です。また、特定の宗派にこだわらない場合は、無宗教形式でのお葬式も選択できます。納骨についても、公営・民営の霊園や納骨堂など、様々な選択肢がありますのでご安心ください。
❓ 親が互助会に入っているのですが、葬儀社は変えられますか?
はい、互助会を解約して他の葬儀社に依頼することは可能です。解約には手数料がかかる場合がありますが、多くの葬儀社では「乗り換え割引」のような制度を設けています。弊社アオバヤの「こころの会」でも、互助会の解約費用分を割引する特典をご用意しておりますので、積立金が無駄になることはありません。お気軽にご相談ください。
❓ 戒名も宗派によって違うのですか?
はい、戒名(浄土真宗では法名、日蓮宗では法号)の付け方や構成は宗派によって異なります。例えば、浄土真宗では「釋(釈)」の字が頭に付き、日蓮宗では「日」の字が入ることが多いです。また、位号(ランク)の考え方も宗派ごとに違いがあります。菩提寺がある場合は、そのお寺の住職に授けていただくのが一般的です。
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